2017/01/30

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WebMasterのコラム  420

ヤマガラはキツツキだったのか?

  まだ1月末だというのに、南からの温風で、朝から10℃を越え、昼には20℃に達するという、前代未聞の春もどき、明日からはまた冬へ逆戻りだそうで、1日限定?のゆったり散歩日和です。なので、またまた井頭公園へ、4回連続の通い詰めです。

  突然こんなに暖かくなったら、きっと虫も出て来て鳥たちは大喜びなのか?それとも面食らって北の山へでも出かけてしまっただろうか?と思いつつ、いつものルートで歩き出してみたら、いつものように、ヒヨドリシジュウカラシロハラジョウビタキエナガコゲラルリビタキカワセミヤマガラが現れました。

  聞き慣れたアカゲラのドラム音が聞こえる・・と思って、しばらく辛抱して待っていたら、出てきたのはヤマガラだったってパタ〜ンは、これまでにも何度かあったのですが、ああアカゲラは別の方角へ翔び去ってしまったんだなと諦めていました。

  ところが、今日はすぐ近くの木の幹から聞こえたドラム音の主を見つけたら、ヤマガラではありませんか?あれ?まさか?見間違い?・・・慌てて・静かに、三脚を立てて、なんと、ヤマガラの音入りドラミングの動画撮影に成功してしまいました!(例によって YouTube に UP しました。)

  「ヤマガラって、実はキツツキだったのか!」と妙に納得して?帰宅してから動画をチェックしてみたら・・・。

  違いました!

  周囲を気にしながら、樹の割れ目を熱心に突っついて突っついて突っつきまくって・・・どうするのかと思ったら・・・最後に、何かを取り出しました。何かチョコボールみたいな・・・。

  これは、つまり、キツツキが木を突っついて虫を食べているのとは違って、ヤマガラが夏〜秋にエゴノキの(有毒な)果実から中身の種子だけ上手に取り出して運び、冬の食料として蓄えていたもの(貯食)を、回収していたのでした。(よく忘れずに、場所も覚えていて、取りに来られたねぇ!えらいっ!)

<職人ヤマガラ、芸のもと>
  動画から、大好物のエゴノキの種らしいものを取り出した瞬間画像を切り出してみました。↓

  それにしても、こんなに懸命に突っつきまくらないと取り出せないほど、随分しっかりと埋め込んだものです。

  去年の一月(コラム321)に、昔なつかしい縁日の鳥が「ヤマガラ」だったのを初めて知って買った本、小山幸子著「ヤマガラの芸:文化史と行動学の視点から」(1999年9月25日法政大学出版局)によれば、

  『くちばしが比較的大きくて太く、しかものみ状に平たくなっていることは、ヤマガラにとってはとても好都合な特徴だ。』、『他のカラ類と同じで虫や木の実を食糧としているが、ヤマガラの場合には、このくちばしの特徴のおかげでより堅い木の実を割ることができるのだ。』そうで、このように『木の実を食糧として、それを叩き割る力をもっているが故の力強さはヤマガラの特徴とも言え、何でもどこかに隠そうとしたり、取り出して来たりするのもヤマガラの特徴だ』そうです。

  三宅島でヤマガラによるエゴノ キの種子散布を観察した論文(筑波大学、橋本ら2002年)には、

  『エゴノキに飛来したヤマガラは、果実を見て廻って選び、くちばしで果柄を引っ張って果実をもぎ取り(中略)太い横枝上に果実を置き、両足でおさえ、くちばしで強くたたいて果皮に穴を開けて種子を取り出した。そして種子を食べる時は再び種子を両足でおさえて、さらに強くたたいて種皮に穴を開けて中身の胚乳のみを食べた。一方,貯蔵を行う場合は、取り出した種子をくわえて貯蔵場所へ飛んで行き、鋭端部を先にして地中や枯れ枝の割れ目などに挿し込んだ。』と書かれています。

  こういう性格をいくつも組み合わせてうまく利用したのが「ヤマガラの芸」だったんですね。

  動画に録ってみて初めて、貯食回収のシーンだったことがわかりましたが、もうひとつ分かったことがありました。

  動画と同時に録音された音声から、このヤマガラのドラム音の他に、背後にもうひとつのドラム音が録音されているのが分かります。そっちはどうやらコゲラだったんじゃないかと思えます。両方入り混じって聞こえていたってことですね。

  いつものように写真(静止画)だけしか撮っていなかったら、今回は「キツツキみたいなドラム音の主は、なんと、こんな格好で木を突っついてたヤマガラでした」でオシマイ!ってことになっていただろうと思います。

  そうさ、ボクはキツツキじゃないよ!とでも言いたげな・・・。
<コゲラはちゃんと虫を捕り>
  別の木でドラムを叩いていたコゲラは、ちゃんと虫を捕って食べました。

<越冬中のホソミオツネンも思わず顔出し>

  やっぱり暖かさにつられて虫が出て来たんでしょうか。エナガまでもが?木の幹を突っついて歩いているように見えました。

  その大木の根元の方で、何か細いものが動いたような気がして、探したら、ホソミオツネントンボでした。まだ春じゃないのに、暖かすぎて目を覚ましてしまったんだろうか?周囲を探してみましたが、これ一匹しか見つかりませんでした。しかも、動きが鈍いかと思って油断したら、一枚撮っただけで見失ってしまいました。

  去年の秋に、この井頭公園にも、ワンサカ居るのを見つけた、ホソミオツネントンボ(コラム398)は、いったいどこでどうやって(成虫)越冬しているんだろか?あんなにたくさん居たのに、寒くて全滅したんじゃなかろうか?と心配してましたが・・・。

<メスたちが元気>
  ジョウビタキも、ルリビタキも、カワセミも、みんなメスが元気でした。


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